学校法人会計において本年度以降注意すべき事項

<リース取引、ソフトウェアに関する会計処理>
平成20年9月11日付で、文部科学省よりリース取引とソフトウェアに関する会計処理について通知が出され、これを受けて平成21年11月14日に、日本公認会計士協会よりそれぞれに関する実務指針が制定されています。

これらを受けて平成21年4月1日より開始する年度から、リース取引とソフトウェアに関する会計処理が変更となっています。リース取引やソフトウェアに関する日々の会計処理をどのように行っていくのかということについては、予算立案の段階あたりから検討されているのではないかと考えられますが、計算書類の開示事項まで見据えたうえでの検討も終えられていますでしょうか?

まずリース取引とソフトウェアに関して、会計処理の変更の注記が必要となりますので、本年度に対象となる取引が生じると変更による影響額の記載が必要となります。

また、リース取引を通常の賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理を行った場合で、リース料総額の合計額に重要性があるときは、①リース取引開始日が平成21年3月31日以前であるもの②平成21年4月1日以降の開始し、リース契約が300万以下の場合に該当するもの、の2点にかかるリース料総額の合計額に重要性があれば、「通常の賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理を行っている所有権移転外ファイナンスリース取引」として注記が必要となります。

資産総額等の観点から、重要性があるリース料総額となる法人がさほど多くないと考えられるのですが、その重要性を判定するための集計資料の準備は事前に行っておくか、決算作業のスケジュールに織り込んでおくべきです。

<監査の品質管理>
日本公認会計士協会では、品質管理基準委員会報告書第1号「監査事務所における品質管理」第76項、監査基準委員会報告書第32号「監査業務における品質管理」第39項から委託審査制度を規定し、学校法人における私立学校振興助成法第14条第3項の規定に基づく監査業務に係る審査において、「監査意見表明のための委託審査要領」を利用する場合に必要となる審査資料の様式例を、学校法人委員会研究報告第11号「委託審査制度における審査資料の様式例」として平成21年1月14日付で公表しました。

現状では審査対象業務は、文部科学大臣所轄学校法人に係る監査業務が対象となっており、平成23年3月31日を持って終了する会計年度より審査が開始される予定となっています。

<その他>
平成21年2月17日付で「第12号 学校法人における事業報告書の記載例について」が公表され、事業報告書の詳細な記載例を見ることができるようになりましたので、多くの学校法人が依拠するものと思われます。

また、平成21年4月14日付で「第13号 キャッシュ・フロー計算書導入に係る提言」が公表され、キャッシュフロー計算書の導入が急務と指摘されており、今後は計算書類に何らかの形でキャッシュフロー計算書が導入されることになると考えておいた方がいいと思われます。