会計上の変更及び誤謬の訂正 に関する会計基準

平成23年4月1日以降開始する事業年度の期首以降の「会計上の変更」や「過去の誤謬の訂正」に対して、「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」が適用されることとなっています。以下に対応が求められる内容を整理しました。

【会計上の変更】

本会計基準では、「会計方針の変更」、「表示方法の変更」、「会計上の見積りの変更」を「会計上の変更」としています。

1)会計方針の変更

会計方針とは、財務諸表の作成にあたって採用した会計処理の原則及び手続をいいます(→今回、表示方法は、別に定義されました)。①会計基準等の改正に伴う会計方針の変更の場合、②①以外の正当な理由による会計方針の変更の2つに分類されます。
なお、会計処理の対象となる会計事象等の重要性が増したことに伴う本来の会計処理の原則及び手続への変更、新たな事実の発生に伴う新たな会計処理の原則及び手続の採用、連結または持分法の適用の範囲に関する変動について、これら3つの事象は会計方針の変更に該当しないことになります。

本会計基準の適用後は、変更後の会計方針を過去の期間のすべてに遡及適用します。つまり、遡及適用による累積的影響額は表示する財務諸表のうち、もっとも古い期間の期首の資産、負債及び純資産の額に反映させ、表示する過去の財務諸表には、当該各期間の影響額を反映させることになります。例えば、金融商品取引法の開示制度では、前年度1期分です。ただし、上記の原則的な取り扱いが実務上不可能な場合には、遡及適用が可能となるもっとも古い日から将来にわたり新たな会計方針を適用するとされています。

2)表示方法の変更

会計方針の変更時には、変更の内容、理由に加え、過去の表示期間について影響を受ける財務諸表の主な科目に対する影響額や表示されている財務諸表のうち、もっとも古い表示期間の期首の純資産に反映された過去の累積的影響額などの注記が求められます。また、表示方法を変更した場合、表示する過去の財務諸表についても当該方法を適用し、遡及的に財務諸表の組替を行います。また、組替した場合、その内容、理由、金額などを注記することになります。

3)会計上の見積の変更

会計上の見積の変更は、新たな情報によって生じるものであるとの理由から、遡及処理せず、将来にわたって変更されるもの(→当期以降の財務諸表において認識する)としています。
つまり、過去の見積の方法が見積もり時点で合理的ならば、過去の誤謬の訂正には該当しません。過去の誤謬の訂正とは、区別して考える必要があります。
また、この場合、当該見積の変更の内容、当期への影響額などを注記することとなっています。

なお、減価償却方法は、従前どおり会計方針として扱いますが、その変更は、会計方針の変更を会計上の見積もりの変更と区別することが困難な場合に該当するものと取り扱っています。したがって、会計上の見積もりの変更と同様に将来にむかって会計処理を行うことになります。

【過去の誤謬の訂正】

誤謬とは、(1)財務諸表の基礎となるデータの収集または処理上の誤り、 (2)事実の見落としや誤解から生じる会計上の見積りの誤り、(3)会計方針の適用の誤りまたは表示方法の誤りとされています。

本会計基準では、過去の財務諸表における誤謬が発見された場合は、原則として、過年度の財務諸表を遡及修正(=修正再表示)することになります。つまり、今後は、当期の損益で修正(=前期損益修正項目として扱う)することは行われません。また、過去の誤謬の内容、表示期間について影響を受ける財務諸表の主な表示科目等への影響額、最も古い表示期間の期首の純資産への累積的影響額等を注記します。

本会計基準は、今後の会計実務に与える影響は非常に大きいと考えられますが、本基準のすべての事項には、財務諸表利用者への重要性が考慮されています。また、実際の適用に当たっては、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準及び同適用指針、ならびに関連規則の詳細を確認することが望まれます。