新社会福祉法人会計基準について(その6)

新社会福祉法人会計基準では、第4号基本金が廃止されました。

新基準では、基本金を法人の設立及び施設整備等、法人が事業活動を維持するための基盤として収受した寄附金に限定しており、旧基準で規定されていた4号基本金は事業活動の結果としての繰越活動収支差額から基本財産への編入を条件として組み入れることを認められていたものであり、寄附金とは性質が異なることから、新基準においては基本金として計上することができなくなりました。
よって、新基準移行時には第4号基本金は全額取り崩す必要があります。移行時の処理の方法は2つあり、以下のとおりです。

(1)原則的方法

事業活動計算書の繰越活動増減差額の部に「基本金取崩額・第4号基本金取崩額」を設けて処理する方法

(2)特例処理

「4号基本金取崩調整表」に基づき、貸借対照表上、直接「次期繰越活動増減差額」もしくは「積立金」に組み替える方法

なお、(2)特例処理を選択した場合、その旨の注記が必要となります。

新社会福祉法人会計基準について(その5)

今回は、資金収支計算書の区分について、旧基準との変更点及び注意点をご紹介します。

旧基準 新基準
経常活動による収支 事業活動による収支
施設整備等による収支 施設整備等による収支(内容の変更あり)
財務活動による収支 その他の活動による収支

以上のように、資金収支計算書の区分名称が変更されております。

施設整備等による収支については、名称の変更はないものの、内容が変更されており、注意が必要です。
例えば、旧基準においては、設備資金借入金収入や設備資金借入金償還金支出が財務活動による収支に区分されていましたが、新基準においてはそれらの収支は、施設整備等に関するものと捉えて、施設整備等による収支に区分することとされています。このように、施設整備等による収支の範囲が広くなっている点に留意が必要です。

平成26年度地方税制の改正について

平成26年3月31日に地方税制の改正に関する法律が公布されました。今回は、その中で、「地方法人税の創設」及び「法人住民税法人税割の税率引下げ」についてご紹介したいと思います。

「地方法人税」の概要

・納税義務者

法人税を納める義務がある法人

・税額の計算

  • (1)課税標準:各事業年度の所得に対する法人税の額
  • (2)税率:4.4%

・適用時期

平成26年10月1日以後に開始する事業年度から適用する。

「法人住民税法人税割の税率引下げ」の概要

  • ・道府県民税:5.0%[6.0%] → 3.2%[4.2%](△1.8%)
  • ・市町村民税:12.3%[14.7%] → 9.7%[12.1%](△2.6%)
    [ ]内は制限税率
  • ・適用時期
    平成26年10月1日以後に開始する事業年度から適用する。

上記創設及び改正の理由として、地方団体の税源の偏在性を是正しその財源の均衡化を図ることが挙げられており、地方法人税の税率4.4%は法人住民税法人税割の税率引下げ△4.4%と一致しています。

税効果会計への影響

法定実効税率の算出式が以下のようになります。

 
          法人税率×(1+地方法人税率+住民税率)+事業税率
法定実効税率=---------------------------------------------------------
                   1+事業税率

今回の改正においては、住民税率の引下げ幅が創設される地方法人税率と一致しているため、算出される法定実効税率には原則として影響がないと考えられます。
よって、連結納税制度を利用していない法人については、原則として計上される繰延税金資産及び繰延税金負債に与える影響はないと考えられます。

ただし、連結納税制度を利用している法人については、地方法人税の課税標準と住民税の課税標準が異なることから、繰延税金資産の計上額に影響を与える可能性があります。