国際財務報告基準(IFRS)と法人税の関係について

国際財務報告基準(IFRS)はアドプション(導入)の流れが明確となっており、税務(特に法人税)との関係のあり方を検討する必要があります。平成21年10月2日に経団連は「平成22年度の税制改正に関する提言」の中で、「国際会計基準とのコンバージェンスの流れの中で、わが国会計基準の改定が相当見込まれることから、個別財務諸表、個別会計基準のあり方についての抜本的な見直しを含め、税と会計の基本的なあり方の整理を行う必要がある」と指摘しています。

IFRSの特徴として、原則基準や経済実体重視といわれていますが、原則に従う限りは企業ごとに会計処理や会計方針が異なることがあります。また、理論的整合性の重視に伴い資産負債アプローチや時価主義のさらなる導入が促進される結果、新たに検討されている包括利益概念は課税所得の基礎となる現在の利益概念と整合しないことは明らかと考えられます。

そこで,企業会計の連単分離という考え方の採用を検討することになります。連結財務諸表はIFRSを適用して作成し,個別財務諸表は,会社法に基づく配当金計算及び税法に基づく課税所得計算の目的に一致させるために日本独自基準で作成する方向となるのではないでしょうか。企業内部では、現在の会計情報収集・作成機能を継続的に運用させた上に、IFRS開示事項に係る会計情報の収集・作成機能を新たに追加するといった対応が求められることとなると考えられます。