社会福祉法人制度の改正の方向性について

2015年2月12日に厚生労働省社会保障審議会福祉部会報告書が公表されました。
当該報告書は社会福祉法人制度の見直しについての最終の報告書という位置付けとなっています。

■報告書の方向性

社会福祉法人は社会福祉事業に係る福祉サービスの供給確保の中心的役割を担うものとし、「これまで以上に公益性の高い事業運営が求められ」、法人の在り方そのものを見直す(平成18年の公益法人制度改革の内容に近づける)こととし、以下の項目に重点をおいています。

  • ・経営組織の強化
  • ・情報開示の促進
  • ・内部留保の位置づけの明確化と福祉サービスへの投下
  • ・社会貢献活動の義務化
  • ・行政による指導監督の強化

具体的には、以下のような項目が盛り込まれております。

  • ・社会福祉法人の内部管理を強化するため、理事会や評議員会、役員等の役割、権限の明確化
  • ・サービス活動収益 10億円以上もしくは負債 20億円以上の社会福祉法人には、公認会計士の会計監査が強制
  • ・監査の対象とならない社会福祉法人についても公認会計士、税理士による財務会計に対する体制整備状況の点検等を指導
  • ・役員報酬の総額や役員報酬基準の公開を法令上義務付け
  • ・特別利害関係者との取引内容の開示(100万円以上)
  • ・内部留保を明確にし、「再投下財産額」がある社会福祉法人に対し「再投下計画」の作成を義務付け、その書類については公認会計士又は税理士による確認

上記のような改正の方向性が示されたため、今後は改正に対応するため準備を整えていく必要がありますのでご留意ください。

会社法の改正について(その4:多重代表訴訟に関する事項)

「会社法の一部を改正する法律」(以下、改正会社法といいます。)が、平成26年6月20日に成立し、平成26年6月27日に公布されています。施行日は平成27年5月1日です。

今回は、多重代表訴訟に関する事項について確認します。
この度の改正で、親会社の株主が、一定の要件の下で子会社の役員等の責任を追及する制度、いわゆる多重代表訴訟制度が導入されました。ここでの一定の要件とは、以下のとおりです。

  • 1.完全親子会社関係の存在
  • 2.最終完全親会社等(企業集団の最上位にある完全親会社等)の議決権の100分の1以上又は株式の100分の1以上の保有
  • 3.責任原因事実の発生日における最終完全親会社等及び完全子会社等における、対象となる完全子会社等の株式の帳簿価額が最終完全親会社等の総資産の額の5分の1を超えること

以上の要件から、純粋持株会社の株主が傘下の事業会社の役員等の責任を追及することなどが考えられます。